from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

司法ジャーナリズム

BPnet「田原総一朗 × 田勢康弘(2)検察からアメリカ発 金融危機までを語る」から。

田原 これはもう言ってもいいのだと思うのですが、サンデープロジェクトにも出てくださった元検事の郷原信郎さんが「司法記者の友人が全く来なくなった、前はいっぱい来ていたのに」と言っています。どうしてかと聞くと、検察が「郷原のところにはもう行くな」と言っていると。言うことをよく聞くんですねえ。
田勢 それは、談合と同じですね。
田原 ええ。まさに談合です。
田勢 談合の取材をしている側が、談合しているというわけですか。最もかたくなにシステムを守っている、それが司法ジャーナリズムということですねえ。

マル激トーク・オン・ディマンド「検察は説明責任を果たしているか」から。

東京地検は24日、民主党小沢代表の公設秘書を政治資金規正法違反で起訴した。小沢代表は同日の記者会見で「献金を頂いた相手方をそのまま記載するのが規正法の主旨であると理解しており、その認識の差が今日の起訴という事実になったと思う。過去の例を見ても、この種の問題について逮捕、強制捜査、起訴という事例は記憶にない。納得がいかない」と涙を流しながら話し、代表の地位にとどまる意向を表明した。
元検事で桐蔭横浜大学大学院教授の郷原信郎氏は、起訴内容が政治資金規正法の虚偽記載のみにとどまったことで、特捜の捜査は完全な失敗だったと断じる。政治団体を経由した企業からの政治献金が容認されてきたことは言わば政界の常識であり、政権交代の可能性が大きい総選挙を半年以内に控えた今この時期に、野党の党首の公設秘書を逮捕する容疑としては、あまりにも形式犯すぎるというのが郷原氏の一貫した主張だ。誰もがやっていることだからといって良しとすべきものではないが、政治的な影響の大きさを考えると、いきなりの逮捕では検察の政治性が批判されることは避けられないと、郷原氏は語る。
郷原氏の見立てでは、今回の逮捕劇では検察の戦略に初歩的な誤算がいくつかあった可能性が大きいと言う。
まず一点目は政治資金規正法の解釈だ。逮捕直後に捜査関係者の話として、秘書の逮捕によって小沢氏にも監督責任があるかのような話がリーク報道されていたが、長崎地検次席検事として政治資金規正法違反の捜査を指揮した経験を持ち、この法を熟知する郷原氏は、政治資金規正法の条文では「選任および監督」の責任となっているため、監督責任だけでは政治家本人の罪は問えないことを強調する。最初から明らかに無能な人間を会計責任者に任命したことが立証できなければ、今回の場合小沢氏の罪は問えない。特捜部はそれを十分確認しないまま小沢氏の秘書を逮捕してしまった可能性を郷原氏は懸念する。