from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

経済も外交も出口が見えない

時事通信新戦略でも見えぬ出口=米大統領、国民説得に必死−アフガン」。

オバマ米大統領は27日、アフガニスタンの安定化に向け、駐留米軍増派と民生支援拡充、多国間の協力枠組み構築を一体的に進める新戦略を打ち出した。しかし、米軍撤退の具体的な道筋を示すまでには至らず、開戦から7年半近くが経過した戦争の出口は依然として見えない。
新戦略では、アフガン治安部隊を2011年までに約16万人から約22万人に増強して米軍からの権限移譲を進めるレールを敷いた。しかし、アフガン・パキスタン担当のホルブルック特別代表は記者会見で、「米軍が撤退できるのは、アフガン人が自分で治安を守れるようになったとき」と抽象的答弁に終始した。
民主、共和両党とも新戦略をおおむね支持しているが、米軍増派後もすぐに治安は改善しないとの情報機関の予測もあり、泥沼化の懸念も消えない。民主党リベラル派のファインゴールド上院議員は「戦線拡大で事態が悪化する可能性がある」と主張。反戦団体ピース・アクションは「ケネディ元大統領がベトナム戦争を拡大させたのと似ている」と指摘した。
これに対しオバマ大統領は、アフガン戦争には01年の米同時テロへの応戦という「大義」があるとして、国民の説得に必死だ。国際テロ組織アルカイダの脅威を「がん」に例え、「粉砕」「壊滅」を目指すと刺激の強い言葉を使うなど、ブッシュ前大統領がイラク撤退を拒否した際の口ぶりを想起させた。

小幡績PhDの行動ファイナンス投資日記「米国 バッドバンク 市場急騰」から。

金融市場にとっては、短期には、surprisingly good news. しかし、米国については、終わりの始まりだ。
バッドバンクとは、金融機関などから、不良資産を買い取って、きれいにしてあげるということだが、こでまでは実現まで、困難を極めそうだ、ということで悲観論が台頭していた。
これまで困難と思われたポイントの2つをクリアしたことで、マーケットは、狂喜乱舞。1つめは、買い取り価格が決まったこと。不良資産買取は、複数ファンドを作り、ここが競争入札。だから、価格は公正に決まる、ということ。2つめは、予算制約だが、議会の承認が必要なカネは、わずか14分の1、民間資金も14分の1、残り、7分の6、つまり、ほとんどは、FDICにカネを出させる。そして、今後、買い取った資産を売却して損失が出た場合は、同様に、ほとんど、中央銀行および政府がかぶる、ということだ。
そりゃ、民間金融機関は狂喜乱舞するわな。
官民合同のファンドということは、要は人員は、民間で、これまでバブル投資をしていた人々。その人たちの競争入札で価格が決まり、しかも、その負担はほとんどしなくて良いのだから、売り手の金融機関の意向どおりの値段で入札するに決まっている。だから、価格はつりあがり、金融機関は、大儲け。そして、付けは将来の税金負担、インフレへとなる。
したがって、長期には、インフレリスク、政府破綻リスクが高まった。さらに、悪いシナリオとしては、金融危機がここでとまらず、さらに深化し、これらの買い取った資産がほとんど含み損になったときに、さらに、市場へ政府が資金供給しなければならないシナリオとなったときには、米国中どこにも、打ち出の小槌はなくなっており、本当の破綻がやってくる。
ここで、危機を完全に止める、という気合の案だが、単なるギャンブルであり、そのギャンブルに負けると思う。
なぜなら、実体経済の危機の深化は、これではとまらず、実体の悪化が、今度は金融セクターに長期にわたってダメージを与え続けるからだ。金融危機を今止めても、必ず、もう一度やってくる。つまり、負けだ。

nikkeibp「大前研一:ダメな金融機関をつぶしてよい理由」から。

去る3月2日、米国AIGが2008年10−12月期決算を発表した。それによると、純損失が616億5900万ドル(約6兆円)。2008年通期では992億8900万ドル(約9兆6000億円)の純損失となったことが分かった。これを受けて米国政府は、AIGに300億ドル(約2兆9000億円)の追加資本注入を発表した。この追加資本注入で米国の公的支援の総額は実に1800億ドルに達する。
米国政府はAIGについて “ Too Big to Fail ” の構えでいる。大きすぎてつぶせない、というわけだ。AIGがつぶれたら世界中の金融機関がつぶれてしまう、だから救済しなければならない、となる。その理屈には「一定の」理解はしよう。しかし、赤字が出るたびに補てんしていたのでは際限がないのは当然のことだ。米国政府の金庫とておのずと限界はあるわけだから、どこかで救済する・しないの線引きをしなくてはならない。