from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

炭酸ガス排出量削減関係なし

JMM『「洞爺湖からアメリカへガイアツを」from 911/USAレポート』から。

現在、2008年の7月を迎えようとしているアメリカでは、炭酸ガス排出量をどうやって抑えるかという問題は、ほとんど社会的な課題になっていないし、TVをはじめとするマスメディアもほとんど取り上げていません。とにかく原油高から来るガソリン価格の高騰、その話ばかりです。エネルギー政策の問題については、確かに関心は高く、オバマ対マケインの一騎打ちとなることの決まった大統領選でも重要な争点になるといわれていますが、それも原油の高騰に対してどう対処するか、そうした視点がほとんどであって、炭酸ガス排出の問題は中心課題にはなっていません。
そんなわけですから、福田総理とEUの間で「2050年」までの排出量削減の数値設定における駆け引きがされているとか、そこで言われている削減数字は60%から80%であるとかいう話は、「高級な新聞やネット情報」に接することのできる一部の人以外には全く知られていないのです。福田総理や独仏などの動きを横目に、
ブッシュ大統領は英国のブラウン首相との間で「洞爺湖での数値目標の設定には反対」などという「合意」をしたというのも、アメリカの社会を覆っている「空気」を反映したものでしょう。もっとも、ブラウン政権がどこまでアメリカに付き合うかは、分かりませんが。
とにかく原油高を何とかしなくては、というので、例えば大統領選の選挙戦の中でジョン・マケイン候補が掲げる政策というのはというと、例えば以下の三点が中心です。(1)この夏限定で、ガソリン税の軽減措置を行う。(2)25年間禁止してきた米国領の沖合での石油掘削を再開する。(3)新しいタイプの安全な原発を45基建設する。という具合で、排出量を抑制するという方向よりも、原油高をどうするかという視点での発言が主となっているのです。