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子育ての日々の断片を書き綴る

参議院選後の次期日銀総裁選び

ロイター「インタビュー:竹中氏の次期日銀総裁は難しい=民主・峰崎氏」から。

民主党峰崎直樹氏(「次の内閣」金融担当相・経済財政担当相、税調顧問)は8日、ロイターのインタビューに応じ、来年3月に任期を迎える日銀総裁人事に関して竹中平蔵総務相は難しいと述べ、同意できない考えを示した。
武藤敏郎副総裁の総裁昇格も財務省出身が重いハードルになると述べ、国会同意人事でも民主党の考えを主張していく認識を強調した。
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峰崎氏は竹中氏について「もう無理だろう」と述べ、難色を示した。峰崎氏は「竹中氏の考えが市場原理主義過ぎることに加え、身辺でいろいろなうわさがある」と指摘、「うわさが出ることで、中立的な政策を打ち出せないのではないか」との危惧を示した。市場の信任が得られないような総裁では「市場からみて問題が大きいのではないか」と述べている。

BPnet『森永卓郎:自民大敗より大きい「経済不安の種」』から。

安倍総理は自分の戦略を過信したに違いない。もし、民主党内にいる自民党に近い人たちを、もっとうまく扱っていれば、だいぶ状況も変わったように思うのだ。しかし、安倍総理はそうした個人の感情の機微にはまったく興味がなく、ただただ9条を変えたかったのだろう。
小泉前総理は郵政民営化と自分にしか興味がなかった。そして、前にも書いたように、安倍総理憲法改正と自分にしか興味がなかったのだ。
以後の戦略もまずかった。衆議院で3分の2あれば何でもできると錯覚して、強行採決を連発した。これに対して、国民の反発は少なかったという意見もあるが、わたしはそうは思わない。じわじわと国民感情を刺激したことは間違いない。
というのも、国民の間には、前回の郵政選挙において、自民党を勝たせすぎたという反省があった。「このまま参議院で過半数を持たせたままにすると大変なことになる」。そうした意識が、批判票を民主党に集中させる源になったとわたしは考えている。
結局、今回の選挙は政策が問われたわけではない。現に、護憲を訴えた社民党共産党議席を伸ばすことができなかったことからも、それが分かる。自民党の暴走を抑えるために、一番有効な票の使い方は民主に投票することだと国民は考えた。それが民主党の大量得票につながったのだろう。
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自民党の大敗によって、当分は消費税問題も憲法改定問題も棚上げになりそうだ。政治的には膠着状態が続くと考えられる。
そんななか、経済アナリストとしてわたしが心配しているのは、来年3月に任期を迎える日銀総裁の人事である。誰が次期総裁に就任するかによって、ようやく回復の兆しを見せてきた景気の行方が大きく左右されるからだ。
日銀総裁の任命権は内閣が持っているものの、衆参両院の同意を必要としている。つまり、参議院で第一党となった民主党の同意がないと、日銀総裁にはなれない。
わたしが次期総裁として望んでいるのは、このコラムで何度も書いている通り、竹中平蔵氏である。個人的には、彼の信奉している弱肉強食型の新自由主義的には大反対なのだが、現状の過度な引き締め政策を打破するには格好の人物だと思うからだ。いわば、毒をもって毒を制するという作戦である。