from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

アイボリータワーの抵抗勢力

JMM「From Kramer's Cafe in Washington DC Vol.54:世界銀行改革」から。

ホワイトハウスからほんの2ブロック、ワシントンDCのダウンタウンのほぼ中心にそそり立つ白い建物、世界銀行本部は皮肉をこめて「アイボリータワー」(象牙の塔)と呼ばれている。途上国の開発を使命とするのに職員が高給であることや、融資をめぐる汚職や癒着が絶えないためだ。これまでウオルフェンソン元総裁、先月スキャンダルで辞任したウオルフォビッツ前総裁が改革をすすめてきたが目立った成果はあがっていない。ブッシュ政権が任命した2番目の総裁ロバート・ゼーリック前国務副長官が就任して約1ヶ月が経つが、世銀改革の行方は如何に。
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世銀職員の必要以上の高給や手厚い福利厚生も改革の対象だが、組織的抵抗にあってなかなか進んでいない。世銀職員は各国の出資比率に応じて国際公務員として採用されているため、給料は年平均約15万ドルという高給の上無税である。その上民間企業の平均をはるかに上回る日数の有給休暇の他に、高額の年金、子供の教育費、扶養手当はもちろんのこと自国から乳母を呼び寄せることまで可能だ。つい数年前まで出張はファーストクラス、パリへはコンコルドでという職員もいた。27人もいるといわれる副総裁への給料は一人平均年25万ドルとも言われ、契約社員には一日1400ドルも支払われているケースがあるという。90年代から情報の透明性を高めるためのプロジェクトが推進されたが、開示には世銀職員の抵抗が強く未だに多くの部分が非開示だ。