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子育ての日々の断片を書き綴る

人災

JMM冷泉彰彦:「崩れ落ちた橋」from 911/USAレポート』から。

全米には「構造的な欠陥」のある橋がたくさんあることが、今回の事故を契機に明らかとなりました。MSNBCの報道によると、その中でも最も危険な橋は、私の住むニュージャージー州の「プラスキー・スカイウェイ」という橋だというのです。地元の新聞「スターレジャー」によれば、安全度100点満点のうち、この橋は西半分が2点、東半分が0点だというのです。ちなみに、この連邦の採点方法では、50点を切ったら「架け替えが必要というのがガイドラインなのだそうです。
この「スカイウェイ」というのは、私には親しみのある橋で、何度も通ったことがあり思わずヒヤリとさせられました。ニューアーク国際空港のすぐそばにある長い大きな橋なので、この空港に北から進入する飛行機の左側の窓際に座ったことのある方でしたら「ああ、あれか」と思われるのではないでしょうか。この橋の場合は、完成が1932年というのですから大恐慌の真っ最中の75年前、しかもそれ以来大きな補修もせずに供用し続けているのだそうです。

スポーツ報知「車50台以上沈んだまま捜索難航…米ミネソタ州の橋崩落」。

米中西部ミネソタ州ミネアポリスの高速道路の橋崩落で、地元当局は3日午前(日本時間3日午後)、5人目の遺体を確認した。AP通信や米CNNテレビが伝えた。当局は同日朝に捜索を再開、行方不明者の捜索に全力を挙げる。
米主要メディアによると、確認された死者は2日夜(日本時間同3日午前)時点で4人、行方不明者は8人、負傷者は79人だった。まだ50台以上の車が沈んでいるとみられ、死傷者はさらに増える見通し。
ビーターズ米運輸長官は2日、現地で会見し、崩落した橋について政府が2005年に「構造的な問題がある」と分類していたと説明。一方で「補修などの必要があるという意味で、安全でないということではまったくない」と強調した。
運輸省は1990年から崩落した橋に問題があることを把握し定期的に点検をしてきたが、崩落などの危険はないと判断していた。同省では10段階で橋の安全性を評価。この橋は「(走行車の)重量制限を設けず継続使用可能」を意味する「4」だった。同省は4以下の橋を「構造的な問題」を抱えていると分類している。
全米では7万を超える高速道路の橋が、崩落した橋と同様に「構造的な問題がある」と連邦道路局の調査で格付けされていた。専門家は、このすべてを修復するには約1880億ドル(約22兆4000億円)の経費がかかると試算している。