from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

新潟県中越地震と原発(4)

BPnet「田中秀征:中越沖地震で明らかになった、原発管理体制の3つの課題

電力会社による防災への自主的な取り組みを当てにしてはいけない。企業による社会的責任の遂行は「期待はしても当てにはしない」姿勢で臨むべきだ。
“環境”や“安全”に対する企業の見通しは必ず楽観的なものになる。それは、“安全への投資”が余計な負担となるからだ。
また、企業の自主的な取り組みに期待する制度は、企業の負担を軽減するとともに、いざというときの政治や行政の責任をも軽減する。そのしわ寄せが一般被災者に及ぶのである。
・・・・
55年体制下の旧社会党は一貫して原発反対を貫いた。それによって、行政も電力会社も安全性に絶えず最大限の配慮をせざるを得なかった。原発反対運動が結果的に原発の安全性をもたらしたとも言える。考えてみると、原子力関連の事故が多くなったのは、55年体制が崩壊してからである。
昭和30年代の原子力委員会は、大事な議論をするとき事務局(官僚)を排除したという。今では考えられない見識と決意を持ち合わせていたのであろう。
今回の一件は、管理(監督)する側とされる側が癒着しているという日本の統治システムの欠陥をさらけ出した。チェック機能が麻痺しているのだ。だから“人災”なのである。