from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

朝日新聞によると、中曽根元首相は、

個人的信条より国家利益を考えてやめるべきだ
個人的信条と国家的利益を比較考量するのが総理大臣の仕事だ。個人的信念を通す誉れがいいのか、外交的障害を除くか」と問題を投げかけたうえで、「国連の常任理事国になろうというなら、2、3年前から、個人的信条を犠牲にしても中国、韓国との友好を長期的戦略として考えるべきだった
小泉君がもっと早い段階で国益を考え自分はやめるといえば、やめぎわがよかった。それが国家の利益にプラスになるなら国民はわかる。やめる方が勇気を要するが、勇気のあることをするのが政治家だ
河野議長が私を訪ね、協議を呼びかけられたが、三権分立に反すると断った

と言ったという。日本の歴代の首相にはろくな人がいないよなと思ってきたが、今振り返ってみると、何人かは立派とはいえないが少なくとも良識はあったんだなあと思えるようになってきた。

昨日の衆院予算委員会での小泉首相の答弁。読売新聞から。

私は『戦没者に対してどのような追悼をするか、ほかの国が干渉すべきではない』と言っている。『内政干渉すべきではない』とは言っていない
首相の職務として参拝しているのではない。私の信条から発する参拝について他国が干渉するべきではないと思っている

確かにそう言っていたが、読売新聞の他の記事では

日本遺族会会長を務める自民党古賀誠・元幹事長は2日、堀内派の総会で、小泉首相靖国神社参拝について「『近隣諸国はけしからん、内政干渉だ』というだけで済むのか。立場のある人の発言は、近隣諸国への気配り、外国への思いやりが必要だ」と述べ、中国、韓国などの国民感情などに配慮するよう求めた。

あれれ。小泉首相さん以外の自民党議員は、「内政干渉」と言っているようだけど。「内政干渉」とは、大辞泉によれば「他国の政治・外交に介入して、その国の主権を束縛・侵害すること」とある。自民党議員は、小泉首相靖国神社参拝を政治の一環だと思っているということかな。

毎日新聞に、靖国神社参拝をめぐる主な首相の発言として、

01・4 「首相に就任したら、8月15日にいかなる批判があろうと、必ず参拝する」(自民党総裁選の討論会で)

とあった。nikkeibp.jp立花隆:靖国問題の決着へ向け 小泉首相、豹変せよ!」には、

小泉首相は、極端に自分の前言にこだわる政治家である。一度あることを決めると、あるいはあることに関して強い発言をしてしまうと、あくまでその決定、あるいはその発言を固守しようとする。

意固地っていうのかな。意固地になると、詭弁を言うようになる。気をつけないといけない。
立花隆さんが、「在京の外国メディア筋」から聞いた話として、

日本側の『靖国問題に口をはさむのは内政干渉だ』という発言(小泉首相武部幹事長)と、小泉首相の国会答弁での『A級戦犯に対しても、孔子がいった通り、罪を憎んで人を憎まずだ』というくだりがとりわけ大きな反発をまねいたらしい。孔子はそんなことをいっていないからね。中国側はあの発言を孔子(中国文化)に対する侮辱だとも受け止めた。何をかんちがいしたのか、あれは小泉首相の大チョンボだね」ということだった。

と書いている。この前の孔子引用発言はどのように中国に伝わったのか気になっていたが、やはり。