from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

イトーヨーカドーに行った

妻が知人の結婚祝いにまだ何か買いたいというので、バスに乗り、武蔵境のイトーヨーカドーに行った。子供はバスに乗ると、いつものように、運転手さんのすぐ後ろの席に座りに行った。バスが出発すると、運転手さんの操作を真剣に眺め、「つぎはみぎにまがるね」などと、離れて座っている私に向かって大声で伝えてくる。
妻の結婚祝いの品を物色している間、子供を連れて、子供の遠足に持って行く弁当箱、水筒を見に行った。トーマスの絵柄のモノが気に入ったようなのでそれにしたが、キャラクター商品のため、結構高かった。

前にイトーヨーカドーに行ったときに、子供がオモチャが欲しいと言って床に座り込んだので、今日は前もって注意をして出かけたから、子供がぐずることなく、無事に買い物を終え、地下の紅虎餃子房で昼食を食べ、帰ってきた。
バスで近くまで帰ってきて、食材を買いにスーパーに立ち寄った。買い物を終え、子供の手を見ると、ペコちゃんのチョコレートを持っていて、買って欲しいという。ダメだと言ってチョコレートを返して、スーパーの外に出ると、子供が歩道に座り込んで動かない。「ぐるらいと約束したでしょう」と言って説得すると渋々歩き出した。団地内の歩道を歩いているときも不満顔でときどき立ち止まる。つき合っていられないので、妻と子供をおいて先に帰った。しばらくして妻から電話がかかってきて、一緒に遊んでいた子が手を洗わないと家に帰れないといっているから、バケツに水を持ってきて欲しいといってきた。バケツはまだ買ってないので、洗面器に水を入れて、下に降り、待っている遊び場まで持って行った。
2週間延長して図書館から借りていた武田徹さんの「流行人類学クロニクル」をやっと読み終えた。この本は、「日経トレンディ」で1988年6月に連載を開始し、それからほぼ10年に渡って書き続けられた「新流行人類学」を再構成したもの。すっかり忘れていたモノを思い出させてくれて、なかなか面白かった。自己破産、フリーター、ボランティア、ソムリエ、起業家、エヴァンゲリオン、ダンスブーム、大道芸人、キャンプブーム、ガーデニング、ストレス解消ビジネス、代行サービス、フリーマーケット、英才教育、胎児教育、エイズ、ストーカー、バーチャル・リアリティ、コンピュータウイルス、Webマスター、自由主義歴史観、ビデオジャーナリズムなど、この頃に流行りだしたようだ。ミヤザキ事件、クイズ王、自己啓発講座、脳内革命、ねるとん、テレクラなどはもう廃れてしまった。私がいた会社でも自己啓発講座にハマってしまった人がいてその頃しつこく勧誘されたけど、今はどうしているんだろう。
この「流行人類学クロニクル」は、単なる流行モノの紹介本ではなく、スタイリッシュではあるが軽くはなく、ちょっと哲学的なところがある読み物だ。「今、必要なのは、むしろ踊らされるステップを止める勇気であり、自分のステイタスを自分で育んでゆける想像力の基礎トレーニングに違いない」。「たとえば雨の日に傘がないといった目先の不満を、料金後払いで解消させ続けた挙げ句の果てに、自己破産でしか救われない人達を確実に存在させてしまう社会システムの毒を曖昧に隠す欺瞞」。よく知らないことだと納得してしまう語り口ではあるが、よく知っていることの話になると、ちょっと滑りすぎだなと思う箇所もあった。

流行人類学クロニクル

流行人類学クロニクル