from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

ようやく「影との戦い」を読み終えた

東京は穏やかな一日だったが、東北、北海道は強風に見舞われたようだ。十勝の広尾町では午前10時すぎに最大瞬間風速41.6メートルを記録したようだ。これは、車を時速150km程度のスピードで走らせ、窓から顔を出して受ける風と同程度の風だとラジオで言っていたが、地元ではどんな風だったんだろ。
随分前に子供が大きくなったら読ませようと思って、「指輪物語」と「ゲド戦記」を買っておいた。映画「ロード・オブ・ザ・リング」が公開されるよりも前のことだ。しかし、まったく読まずにいた。上海にも持っていったが、読まずに持ち帰った。妻が働き始める前に時間があって、本棚に置いておいた「ゲド戦記」の第一巻「影との戦い」を読み出した。本を読み出すと集中する性格で、その間、家事はおろそかになったが、「影との戦い」を読み終えて、面白いと言ってきた。いろいろ考えさせられる本だとのこと。読んだ方がいいと言われて、空いた時間を見つけて読み出し、今日ようやく「影との戦い」を読み終えた。年のせいか、ワクワク感はわいてこなかった。想像力も衰えたから、情景もなかなか浮かんでこなかった。推奨学年が小学校6年生以上と本に書かれていたが、中学生のころに読んでいたなら、もっとワクワクしながら読めたはず。中学生の頃はSF小説をよく読んでいたけど、この作者のアーシュラ・K・ル=グウィンのことは知らなかった。最も知っていたとしても、その頃はまだ翻訳されていなかったようだから、読めなかった。
主人公のゲドは、魔法使い。魔法使いの修行中、対抗心という邪な感情で魔法を使い、自らの負の部分といえる影を呼び出してしまう。それから、その影におびえる生活を送ることになる。かつての師匠であるオジオンに影から逃げないで立ち向かえと言われ、影を負う旅に出る。親友といえるエスタリオルの力を借りて、影と戦い、影を取り込むことで戦いを終える。対抗心の元になる傲りと嫉み、知らぬ間に毎日のように湧き上がってくる感情。この感情を鎮めることができないと賢人にはなれないという物語だった。

影との戦い―ゲド戦記 1

影との戦い―ゲド戦記 1