from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

団藤保晴氏の「ブログ時評」に、

中国国内では言論の自由を奪う形すら取られて圧殺されたのであり、日本側では折りしも盛んになっている右翼的な、威勢の良い対中論調をネット上で繰り返し読まされた。短期的にまた再発必至の苦渋の事態だから、落ち着いたときこそ考え始めねばならない。

とあった。「圧殺された」とは大げさと思えるが、邪な力を無理矢理押さえ込んでいるのか確か。気を許すといつ再燃してもおかしくない状態にある。ほんの一部の人達のことではあるけど。一方、日本の方は大勢がすっかり嫌中的になってしまった。反日デモという地震で出来た断層は当面修復されそうもない。お互いにリスペクトする気持ちが出てこないと無理だ。
この「ブログ時評」で紹介されていた「反日デモ」(田口ランディのアメーバ的日常)を読んでみた。「日本はどういう行動を取れば人命を失わずにすむか」ってところはいいけど、

中国人の反日デモを映像で見せられると、やりきれない気分になる。
悲しみとか、怒りとかではなく、中国人民の人たちのもってきどころのない、うっ屈した気持ちが伝わってきて、どうにも、せつなくやりきれない。みんな自由になりたいんだ……と思う。平等なんてウソじゃないか。お金がすべてじゃないか。オレたちも金が欲しい。もっと豊かになりたい。だけどそうは言えないから、はけ口を探している。
そして、日本がすべて悪いと思っている。そんなわけないことは普通に考えればわかる。
戦争責任とはもっと別の次元の話だ。
でも、考えられないように教育されている。教育というのはすごい。人間はどんな理不尽なことでも思い込める。

ってか。この人は中国を訪れたことがないんだろう。中国で生活していて、「中国人民の人たちのもってきどころのない、うっ屈した気持ち」なんて感じたことがない。大都会に住んでいる大多数の中国人は、日本人以上に楽観的で気楽な生活を送っているんだけどね。反日教育も日本で思われているほど、人民の考えに影響を与えているとは思えない。日本人が教育で歴史を学んでいないと同じように。反日教育より、中国で毎日放映されているすごい数の日本製アニメの方が余っ程影響力があると思うんだけど。