from上海to東京

子育ての日々の断片を書き綴る

NHKニュースから、

JR西日本の村上恒美安全推進部長が、30日の記者会見で明らかにしたものです。脱線事故のあったJR福知山線は過密ダイヤで、ラッシュ時に電車が遅れることが多く、定時運転を求められる現場の運転士からは、精神的な負担になっているという声が出ています。これについて村上部長は「遅れの実態を把握し、ダイヤに反映させる調査を定期的に行っているが、ダイヤの遅れがあるものについては見直しを考えたい」と述べ、福知山線のダイヤの見直しを検討する考えを明らかにしました。JR西日本では、福知山線阪和線など利用者の多い4つの路線で、電車の遅れを調べる「遅延状況調査」を定期的に行っていますが、今回の事故の半月前の今月8日から14日に実施した調査で、福知山線では、朝のラッシュ時の電車に平均で40秒から1分11秒の遅れが常に生じていることがわかっています。

ラッシュ時に1分程度の遅れがあるのがどんな問題があるんだろう。乗る側の立場でいえば、次から次と電車が来るんだから、いいんじゃないと思うが。上海の地下鉄は、次とその次の電車があと何分何秒で来るかが分かる表示があるだけで、時刻表はない。それで不便を感じたことはなかった。
JMMの『from 911/USAレポート』「鉄道運転士と専門職」で冷泉彰彦さんが、

(私の勤務しているニュージャージー州立ラトガース)大学の日本語クラスでも当然ながら大きな話題になりました。日頃、私などが新幹線の運行技術や、秒刻みの山手線の運行体制などを話しているものですから、日本の鉄道運行について一応のイメージを持ってくれていた、それが裏目という感じになっています。とにかく「90秒の遅れを取り戻すために死のギャンブルをしなくてはならなかった」ということがどうにもピンと来ないというのです。
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ワシントン=NYの特急でも5分や10分の遅れはザラ、更にシカゴからとかペンシルベニア西部からなどの長距離ですと、30分から2時間遅れなんていうことでも誰も驚きません。通勤用の「NJトランジット」の方は多少ましですが、こちらも時間の怪しい特急と同じ線路を共用していることから、5分程度の狂いは日常茶飯になっています。
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事故に関する報道から浮かび上がって来るのは、収益至上主義や競争至上主義かもしれません。ですが、それも主犯ではないように思います。事故の核心にあるのは、専門職への尊敬を失った社会という問題です。その昔、鉄道に勤める人には、独特の風格がありました。とりわけ乗り物好きの子供たちにとっては、運転手さんや車掌さんは憧れの的でした。

確かに。売り上げ向上に直結しない専門職は尊敬もされなくなったし、給料も安い。

署名で書く記者の「ニュース日記」から、

新幹線と在来線、どちらが運転が難しいかと聞くと「それは、やっぱり在来でしょう。人間が関与する部分が多い。だから仕事に張りもある」という答えだった。
この話を「いい話だね」というつもりでJRの若手技術幹部にしたところ「いやいや、実はそれが問題だ」という逆の反応が返ってきた。つまり「人間が関わるから事故が起きる。できたらすべて自動化してしまいたい」というのが鉄道技術を開発する側の希望だという。その時には「それは人間不信ではないか」と反発を感じたのだが、今はそういう考え方もあるかなと思い始めている。福知山線の事故はいろんなことを考えさせる。

自動化しているのも人間だということを忘れているようだ。運転士は信用おけないけど、若手技術幹部自身はミスを犯さないと思っているということか。